ある日突然その日は来た
その日いつもどうり、父親が起き猫のチップに体を摺り寄せゴハンの催促をして餌をもらう
その後毛繕いをして水を少し飲みダイニングテーブルの足を枕に横になる
それから12時に母親が呼んでも返事が無いことに気づき体を触れてすべてを察した

家族にメールがきて、自分はどうせ具合が悪いんだろうと甘い考えをしていた
メールの無いようが
「件名チップが・・・
もう動かない。呼んでも返事が無い。」
だった

夜勤明けでつかれてたのでだるーい感じで実家に戻ってチップの居る場所に行き体を触れた
・・・脂肪で柔らかかったおなかが硬く、冷たかった・・・。

それからすぐ子のままにして置けないと思い親にどうすると聞いた
庭にうめようかと言っていたがあのまま埋めてもなぜか可愛そうな気がした
庭は広く無いし引っ越した時にチップだけ置いてけぼりになるのが
イヤだったのかもしれない
火葬してもらうことにして俺は仕事に出かけた
出ていく時いつもやってるようにあごから首のあたりを優しくなでて言って来るとつぶやきやわらかな毛を最後に確かめた
家に帰って火葬してくれる人が来るまでチップを眺めながらいろんなことを考えた
自分はもっとやさしくしていればさらに寿命が伸びたんではないか

あの時変なとこでうんちをしたのを怒らずやさしくすれば・・・
まだまだいろいろ出来たはずだと・・・

もう家に帰って扉を開けてもそこにはもう出迎えてくれるチップは居ない
朝7時と夜6時になると自分の足に体摺り寄せながら鳴く声もしない
机の下に潜ったチップとじゃれ会いひっかれる事も無い

横になったまま息を引き取ったチップは死ぬ間際走馬灯は見たんだろうか・・・

茶色に黒のぶちで雑種の父猫とペルシャの母猫との間に生まれ
10何匹の中に居たチップ
唯一黒色のチップ
まだあの頃は手のひらに収まる大きさだったチップ
最初は牛乳ばっかり飲んで余り飯は食わなかったのに
すぐに缶詰一缶すぐ平らげた
家のあちこちに爪砥ぎして怒られてた

最後火葬するため車に載せる時のチップは妙に重かった・・・

17年間俺と一緒に生きていてくれて
          
                  ありがとう

右腕にのこった爪跡とふかふかな毛触りは忘れずいつまでも

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